自国の貧困問題に関わるNGO

今回私が研修させてもらったNGO団体では、ストリートチルドレンたちを始め、貧困による問題を抱えている人々に対していくつかの部門を設け、それぞれのニーズに合わせた様々な取り組みを行っていました。学校運営と子供へのスポンサー制度、シェルターハウスの運営、職業訓練、自立支援プログラム、地方で複合施設を運営(ストリートチルドレンになることを事前に防止するための働き)、外国団体との提携による地方医療ミニストリーなどの短期プログラムがありました。

団体の代表と創設メンバーの一人
<小学校の運営>

学校は貧しい家庭が多い2つの地域にそれぞれ一か所ずつ設けており、教育と筆記用具や制服などの必要品、昼食を無償で提供しています。エチオピアの公立学校も授業は無償で受けることができますが、小学生から制服の着用が義務付けられているのと筆記用具や通学用の靴の必要品を実費で購入しなければなりません。これらを買い揃えられずに通学を諦めざるをえない子供たちが大勢いることが問題の一つです。

団体では、毎年そのような家庭から入学希望者を募って入学者を決定しています。中には貧しさを偽装する人もいるそうで、入学児童を決定する際には教師や団体スタッフが家庭訪問し生活状況の確認や面接を行い、貧しい中の最も貧しい子が学校に通えるように審議を行うのだそうです。

団体が運営する学校に通う生徒たちとスポンサーシップ制度に申請している生徒たちには、通学用の新しい靴が毎年支給されます。
そんな子供たちの中には家で毎日食事することができない子もいます。基本的に学校に給食制度がないエチオピアですが団体では毎日給食を提供することで健康面のサポートも行っています。これは聖書の教えを土台として設立された団体の理念の一つ、子供たちの知性、身体性、社会性、霊性のトータルな健全な育成に力を入れているからです。病院と連携し、在学中の子供たちは無償で医療も受けられるようになっています。(提携先の病院から請求された生徒の医療費を後日団体で支払う仕組みです。)中にはHIV陽性の生徒もいて医療支援を受けています。プライバシーを守るため学校長と一部の職員だけが把握しているそうです。

団体が所有する二つの学校の内の一校(A学校)がある地域には10年ほど前まで学校が無く貧困層が多かったため学校の設立を決めました。

幼稚園(3歳児入学で3年間)からGrade4までの初等教育(小1から4年間でGrade4は小4にあたる。しかし数年間学校に通っていなかった子も入学してくるので年齢は若干異なる)を設けており、全校生徒は約150人です。Grade4を卒業すると、公立学校へ編入する制度ですが家庭環境によってはスポンサー制度が利用できるので制服や筆記用具などの必需品は引き続き受け取ることができます。卒業後も学校の図書館やコンピュータルームが利用できるそうで、申請すれば図書の持ち出しも可能です。この学校が設立された当時はこの地域に学校がありませんでしたが、グララ学校設立により政府もこの地域への学校建設に踏み切り何校か設立されました。現在も十分な数ではないそうですが、学べる子供たちの数も増えているそうです。

もう一校(B学校)は幼稚園3年間はA学校と同じですが、小学校の仕組みが異なります。

この地域にはA学校のある地区とは異なり、元々公立学校が何校かあり通学しやすい環境でした。しかし貧困ゆえに労働に従事している子供が多いため、学校に通ったことのない10才以降の子供たちが多く住んでいる地域でもあります。B学校はそのような子供たちも学校で学べるように開校されました。クラスはGrade(学年)ではなく、Level(段階)によって分けています。どの年齢の子供もLevel1で入学し、特別なカリキュラムによってLevel3まで3年間学んだ後、公立学校のGrade5に編入できる仕組みにしました。子供たちが学業と仕事を両立できるように、授業時間を午前と午後に分け、生徒は自由にどちらかの時間帯を選んで通学することが可能です。午前授業の生徒は授業後に、午後授業の生徒は授業前に給食が提供されます。この学校の全校生徒も2014年現在は約150人ですが、2013年に設立された新校舎は将来的に700人の生徒が通うことができる規模で造られました。

この学校では毎週2回、火曜日と木曜日の夕方にバイブル・スタディ・クラスがあり、聖書の学びを行います。Grade3を卒業後、公立学校編入した生徒たちや、在学生徒以外の地域の子供たちが大勢通ってきます。バイブル・スタディ・クラスを受講した後は全員に夕食が提供されます。

 

また、これらの学校では夏休みの期間(7~9月の3か月間)には、普段学校に通えていない、もしくは途中で通えなくなってしまった15~17歳くらいの子供が学べるサマースクールが開講されます。講師はエチオピア人の学生ボランティアや外国人ボランティア、これらの学校の教師たちですが、みな自発的に無給で行っています。

 

<スポンサーシップ制度>

これらの学校に入学する以外にも、団体ではスポンサー制度を子供たちに提供し、通学に必要な物品の支援をしています。現在はその制度を受けて約2000人の子供たちが公立学校に通うことができています。

毎年エチオピア歴の年末年始である9月に、通学用の新品の靴を配布します。新年を新しいモノで迎えられるようにとの配慮でこの時期に配布された靴を受け取った子供と保護者の方々はとても喜んでいました。

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