5.ストリートで見つけた”共に喜ぶ世界”

(前項のつづき)
初めてアウトリーチ・プログラムに参加した時、私は衝撃をうけました。何より働きの中心を担っているのが、シェルターハウスで暮らしている若者達だったからです。その日はマスカルスクエアーと呼ばれる、車や人が多い地点に行きました。

マスカルスクエアー付近のバス停には、リーダー達がこれまで何度か通って、すでに顔なじみのある大人の方々6人ほどが寝泊まりしていました。リーダーたちは出会った瞬間、彼らに笑顔で会いたかったと言って強く抱きしめました。ストリートにいた方々も、「よく来てくれた」と嬉しそうに出迎えてくれていました。私も覚えたてのアムハラ語で自己紹介すると、とても喜んで「エチオピアに来てくれてありがとう」と言ってくれました。メンバーがストリート生活者たちに寄り添い、彼らの悩みを聞き出しアドバイスする姿はとても堂々と、しっかりとしていました。

食事を渡す時も、ストリート生活者は、我先にと奪い取るのではなく、タダでもらうことを遠慮しているように見えました。それに気付いたリーダーの一人は、持ってきた食事の袋をあけ、自ら食べ始め、「おいしいから一緒に食べよう」と言って、一人の方(40代くらいの男性)の口元へ運び、食べさせてあげていました。彼はそれを嬉しそうに食べていました。すると今度はリーダーが彼に「今度は自分に」と口をあけ、おじさんの手から食事を求めました。

この互いに食べさせ合うという行為はグルシャと呼ばれ、エチオピア文化で信頼関係と愛情を現す動作です。おじさんは本当に嬉しかったのでしょう、涙を流しながら嬉しそうに食べさせ始めました。私はこの時、このストリートに今、神の国(共に喜ぶ世界)があるというのが分かりました。その場所の中心にはイエス様が確かにおられたのです。心が今までに感じたことのないほどの感動で震え、喜びが溢れてきました。

その場にいたストリート生活者の方の1人は英語が堪能で、笑顔で私に話しかけてきてくれました。彼は以前、教師として仕事をしていたこともあり、自分のスキルを生かした仕事を得るため積極的に行動していました。その後NGOの助けを借りて、仕事を得てストリート生活から脱出することができました。

大人のストリート生活者の中にはかつて仕事をしていた人や大卒の人もいます。そのような専門分野や学歴を持つ人達の中には自ら仕事を得て自立できる人もいるますが、学校に通うこともできずにいた子供たちには難しい問題です。

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