4.ストリート生活者たちに仕える若者たち。

私がボランティアで関わっていた現地のNGO団体ではアウトリーチ・プログラムと言って、夜に首都のアジスアベバの街に出て行ってストリート生活者と関わる働きを定期的に行っていました。

メンバーは、元ストリートチルドレンでシェルター暮らしをしている有志の男の子たちを中心に、スタッフやボランティアなど1組5人前後の3~4グループに分かれ行動します。20歳前後の年長の兄弟がリーダーとなり、年少で12歳の子もメンバーの一人として一緒に街へ出て行きました。

シェルター暮らしをしている男の子達とキッチンスタッフ数人で誕生日パーティ。誰かの誕生日にはみんなでお祝いします。

ストリート生活者たちは問題がない限り、大体毎晩同じ場所へ戻ってきて寝泊まりをしています。なるべく同じ人たちと会って関係作りをしていけるように、他のグループのリーダー達と出会った人々の情報を共有しながら毎回エリアを決めて行きます。

メンバーたちはストリート生活者たち(子供と大人両方)を見つけると、話しかけて自己紹介をしたり、持って行った食事を渡したりします。彼らがどんな人たちで、どんな経緯によってストリート生活になったのかということを始め、将来どうしたいと考えているかなど、具体的な話もしていきます。

リーダーたちは時に、自分たちの所属するNGOが彼らに対してできる支援を提示します。スタッフたちに信頼され責任を任されているのです。20歳前後とは思えないほど堂々とした態度で意見交換し、彼らの将来の計画を一緒に立てていました。

ストリートで出会った方々の具体的な話を聞きだした後、情報とリーダー自身のアイデアを上のスタッフに報告、相談、提案します。ストリート生活者もリーダーたちがどんな人なのかよく覚えています。プログラムに参加した人からは「リーダーの誰にどんな方法で助けられたから今の自分がいる、とても感謝している」という話を何度か聞きました。そんな若手リーダー達が、今後のプログラムの話し合いやイベント開催、祈り会によるメッセージなどをして積極的に活動に参加している姿を多々見かけました。スタッフたちはそんな彼らの主体性を尊重し、力を発揮できる機会を提供しています。

ユースリーダー達が中心となって開催した、ストリート生活者を招いたイベントにて。アウトリーチ・プログラムによって知り合い関係を築き続けてきたストリート生活者、約500人がNGOオフィスの敷地に集まって、ゲームや食事をして過ごしました。

 

元ストリートチルドレンだったケフロン(23歳:写真当時)は、ストリート生活者のためのイベントを開催した時に自身の経験を話してみなさんを励ましました。タバコや麻薬に手を出したこともあった彼はそこから抜け出し、大学進学をはたしましました。(エチオピアの大学進学率は3%)
同じくストリート生活者を招いたイベントにて、賛美リードをしたアウェカ(21歳:当時)リーダ達の中でも特にストリート生活者からの信頼を得ている彼は、プログラムが無い日でもストリートチルドレンたちを気にかけて、自ら路上へ会いに出かけます。

 

大学の夏休暇を利用し、普段学校に行けない子供たち向けに開講しているサマースクールにて、英語の授業をする大学生のデレジェ(21歳:当時)
勉強できる機会を喜び、一生懸命授業に参加する子供たち。

 

得意なチェスを教える事で子供たちと交流する高校生のテスファイ(19歳:当時)
同じくチェスを教える高校生のアムサル(18歳:当時) この学校には外国人が頻繁に視察に来るので、チェスができると共通のツールになり良いコミュニケーションになります。
私もゲームに混ぜてもらって、チェスのやり方を教えてもらいました。

 

アジスの街には子供たちだけでなく、大人のストリート生活者も大勢います。彼らの人生背景は、大学を出たのに仕事が得られなかった人、働いていたが職を失ってしまった人、病気や身体・精神的トラブルを抱えている人、子供のころから何年も路上生活を続けている人、家族を失った人、妻や子供がいるが会えない人など様々でした。子供たちは大体田舎から出てきた子で、親や兄弟が健在の子もいれば、両親が亡くなり家族が1人もいないという子もいました。

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